日本人と台湾人の結婚手続き
はじめに
日本人と台湾人の結婚手続きは、日本または台湾のどちらで行うかによって手順が異なります。本記事では、両国における婚姻手続きを詳細に解説し、必要書類や注意点について詳しくご説明します。
台湾で婚姻手続きを行う場合
台湾で結婚する場合、日本と台湾の双方で手続きが必要です。手順は以下の通りです。
婚姻要件具備証明書の取得(日本側手続き)
婚姻要件具備証明書とは、日本人が法律上婚姻する資格があることを証明する書類です。台湾での結婚手続きを進めるために、以下の手順を行います。
必要書類
・戸籍謄本(3ヶ月以内に発行されたもの)
・申請者の本籍地の市役所で取得します。
・発行後3ヶ月以内のものである必要があります。
・パスポート(原本およびコピー)
・有効期限内のものを用意します。
申請先
台湾日本交流協会(台北事務所または高雄事務所)
申請手続きの流れ
・必要書類を準備し、交流協会へ提出
・申請内容の確認(審査期間:通常2〜3日)
・「婚姻要件具備証明書」の発行
※ 申請時の注意点
申請は本人が行う必要があります。代理申請は原則不可。
証明書は台湾の役所での手続きに必須ですので、紛失に注意してください。
婚姻要件具備証明書の認証(台湾側手続き)
取得した「婚姻要件具備証明書」は、そのままでは台湾で有効ではありません。台湾の外交部領事事務局で認証を受ける必要があります。
必要書類
・婚姻要件具備証明書(原本)
・日本人のパスポート
認証手続きの流れ
・台湾外交部領事事務局に書類を提出
・2日程度の審査後、認証を受けた証明書を受け取る
台湾の市役所への婚姻届提出
認証された婚姻要件具備証明書を持参し、台湾の市役所に婚姻届を提出します。
必要書類
・認証済みの「婚姻要件具備証明書」
・日本人の戸籍謄本(中文訳付き)
・日本人および台湾人の身分証明書(パスポート、台湾の身分証)
・「結婚書約」(台湾の市役所で入手可能)
手続きの流れ
・必要書類を台湾の市役所に提出
・書類審査の完了後、婚姻成立
・「結婚証明書」および「戸籍謄本(配偶者が記載されたもの)」を取得
※ 注意点
戸籍謄本および結婚証明書には日本語訳が必要です。
提出後、台湾の戸政事務所に登録されるまで数日かかる場合があります。
日本の市役所への婚姻届提出
台湾での婚姻手続きが完了したら、日本側でも婚姻届を提出し、日本の戸籍に反映させる必要があります。
提出期限
婚姻成立後「3ヶ月以内」に手続きを行う必要があります。
必要書類
・台湾の市役所が発行した結婚証明書(日本語訳を添付)
・台湾人配偶者の戸籍謄本(配偶者記載あり、日本語訳を添付)
・台湾人配偶者のパスポートコピー
・日本人配偶者の戸籍謄本
手続きの流れ
・日本の市役所に婚姻届を提出(本人または代理人)
・受理後、日本の戸籍に婚姻が登録される
日本で婚姻手続きを行う場合
日本で婚姻手続きを行う場合、台湾人配偶者に関する書類準備と、日本の役所への提出が必要です。
婚姻要件具備証明書の取得(台湾側手続き)
台湾人配偶者は、台湾の戸政事務所で「婚姻要件具備証明書」を取得し、日本の役所に提出する必要があります。
必要書類
・台湾人の戸籍謄本(発行から3ヶ月以内)
・パスポート(原本およびコピー)
・台湾の身分証明書
手続きの流れ
・台湾駐日経済文化代表処(東京、大阪など)にて証明書を取得
・書類の日本語訳を作成(公証役場で認証が必要)
・日本の役所への婚姻届提出
・日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。
必要書類
・婚姻届(証人2名の署名が必要)
・日本人配偶者の戸籍謄本
※戸籍法の改正により2024(令和6)年3月1日から本籍地以外の役所に婚姻届を提出する場合も戸籍謄本の添付は不要になりました。
ただし、婚姻届には戸籍の本籍の記載が必要です。
・台湾人の婚姻要件具備証明書(日本語訳付き)
・台湾人のパスポート
手続きの流れ
・市役所の窓口に必要書類を提出
・書類審査後、婚姻届が受理される
台湾側の婚姻登録手続き
日本での婚姻が成立した後、台湾側にも届け出る必要があります。
必要書類
・日本の役所が発行する婚姻届受理証明書(中文訳付き)
・台湾人配偶者の戸籍謄本
結婚手続きに関する注意点
重婚の禁止:日本と台湾の法律では、重婚が禁止されています。
姓の取り扱い:台湾では夫婦別姓が一般的ですが、日本では夫婦同姓が原則です。
ビザ申請の準備:結婚後の日本での滞在には「日本人の配偶者等ビザ」の申請が必要です。
台湾人を日本に配偶者ビザで招聘するには
台湾人の配偶者を日本に呼び寄せるためには、「日本人の配偶者等ビザ」を取得する必要があります。このビザは、日本において結婚生活を営むための在留資格であり、取得には慎重な準備と書類提出が求められます。
本記事では、配偶者ビザの取得手順から必要書類、審査のポイント、そしてビザ取得後の流れまでを詳しく解説します。
日本人の配偶者等ビザとは?
「日本人の配偶者等」ビザは、日本人と結婚した外国人(台湾人を含む)が日本で合法的に生活できるようにする在留資格です。
ビザの特徴
在留期間:6ヶ月、1年、3年、5年(審査結果による)
就労:制限なし(どのような仕事も可能)
家族滞在:子どもや扶養家族も申請可能
ビザ取得の主な条件
婚姻の真正性:婚姻が偽装でないことの証明
生活基盤の証明:日本で安定した生活ができること(収入・住居)
社会的信用:犯罪歴や過去の入管法違反がないこと
在留資格認定証明書(COE)とは?
台湾人配偶者が日本へ入国するためには、まず「在留資格認定証明書(COE)」を取得する必要があります。これは、ビザ申請に必要な重要書類です。
COE取得の流れ
・日本の出入国在留管理局(入管)へ申請
・入管での審査(1〜3ヶ月)
・審査通過後、COEの交付
・台湾でビザ申請、取得後に来日
配偶者ビザの取得手続きの流れ
配偶者ビザの取得は、大きく分けて以下の3ステップで行います。
STEP1:在留資格認定証明書(COE)の申請(日本側手続き)
申請者(誰が申請するか)
日本に住む日本人配偶者が代理で申請します。
申請先
居住地を管轄する「出入国在留管理局」
必要書類
・申請書(入管庁公式サイトよりダウンロード)
・日本人配偶者の戸籍謄本(婚姻事実記載のもの・発行3ヶ月以内)
・住民票(世帯全員記載)
・台湾人配偶者のパスポートのコピー
・台湾人配偶者の戸籍謄本(結婚記載済み・日本語訳付き)
・身元保証書(日本人配偶者が保証人として記入)
・収入証明(課税証明書・納税証明書・源泉徴収票など)
・夫婦の写真(交際・結婚の様子がわかるもの)
・交際履歴を説明する文書(交際開始から結婚に至る経緯を記載)
・スナップ写真(家族・友人と写っている写真など)
審査期間
1ヶ月〜3ヶ月
STEP2:COE取得後のビザ申請(台湾側手続き)
COEが取得できたら、台湾にいる配偶者が日本のビザを申請します。
申請先
台北駐日経済文化代表処(台北、大阪、東京)
必要書類
COE(在留資格認定証明書)原本
旅券(パスポート)
証明写真(縦4.5cm×横3.5cm、背景白)
査証申請書(代表処のウェブサイトからダウンロード)
日本人配偶者の住民票コピー
審査期間
1週間〜2週間
STEP3:日本入国と在留カードの取得
ビザが発給されたら、台湾人配偶者は日本に入国します。
入国時の流れ
・日本の空港で在留カードの発行(対象空港のみ)
・入国後14日以内に市役所へ転入届を提出
・健康保険・年金・銀行口座の開設
配偶者ビザの審査で重要視されるポイント
ビザ審査では、特に以下の点が重視されます。
婚姻の実態
交際の経緯や家族の理解度など、結婚が偽装でない証拠を十分に提示することが求められます。
経済的安定性
夫婦の収入が十分であるかどうか(最低年収200万円以上が目安)
コミュニケーション能力
言語の問題がないか、夫婦として円滑な生活ができるか
配偶者ビザの更新手続き
初回の在留期間終了前に、ビザの更新を行う必要があります。
必要書類
・更新申請書(入管庁サイトより)
・在留カード
・戸籍謄本(最新のもの)
・日本人配偶者の住民票
・収入証明(源泉徴収票、確定申告書など)
・夫婦の生活実態を示す証拠(写真、家計簿など)
永住権・帰化申請について
配偶者ビザで一定期間滞在後、永住権や日本国籍取得(帰化)の申請も可能です。
永住権申請の条件
・3年以上日本に在留
・安定した収入と納税履歴
・日本人配偶者との婚姻実態が続いている