外国人配偶者との再婚手続
目次
はじめに
「日本人の配偶者等」の在留資格を持っている外国人が日本人と離婚して、本国に戻ることなく、別人である日本人と再婚した場合の手続きは、次回の更新の時に 「在留資格更新許可申請」を行うことになります。
しかし、手続きは「更新」ですが日本人配偶者が別人である場合には、手続きの中身は実質新規で申請する場合と同じ審査内容となります。
したがって、この場合の更新手続きの内容は、
- 前婚である日本人配偶者との離婚手続き関係書類
- 現婚である日本人配偶者との婚姻手続き関係書類
の双方が必要となり一般的な更新申請で求められている提出書類ではなく、
新規申請よりはるかに申請添付書類が増加するので十分に注意して申請する必要があります。
在留期間内に再婚した場合の更新手続き
「日本人の配偶者等」の外国人が日本人と離婚した場合、この在留資格は前婚について許可されたものなので、原則としては一度帰国し再婚について在留資格認定証明書交付を受けてから、再入国することとなっています。
しかし現実的には、現在「日本人の配偶者等」の在留期限が到来するまでに新たな日本人と結婚した場合には、在留資格を維持したままで更新することとなります。その時の申請は在留期間更新許可申請は本コンテンツの冒頭でも説明したように書類は更新のような簡便なものではなく、新規に「日本人の配偶者等」を取得するとき以上に新たな日本人との結婚や前婚の状況を個別具体的にていねいに説明していくこととなります。
同一の日本人との再婚でも審査は厳しい
同一の相手と国際離婚そして結婚する場合、注意点があります。
前婚の離婚届を日本のみで提出している場合、相手国では婚姻状態のままである可能性があります。その場合、当然ですが、相手国の婚姻証明書に書いてある婚姻日は、前婚の婚姻日のままになっています。
この状態のまま、配偶者ビザを申請すると、相手国での婚姻日と、日本側の婚姻日(戸籍謄本に記載される婚姻日)に大きな齟齬が生じます。場合によっては、10年くらいの齟齬が生じる場合もあります。
この場合、審査当局である出入国在留管理局永住審査部門はこの齟齬に対し疑念を抱き申請者側に資料通知書などで何度となく疑義が解消するまで質問をしてくるので当然配偶者ビザの審査が長引きます。
したがって、前婚の離婚から再婚までの経緯、両国での手続きのエビデンスを添付したうえで、詳細を説明書ないし申述書にして提出したほうがよいでしょう。
かような場合、わざわざ離婚して再婚するのも不合理なので、上記の説明書を付けて申請することが合理的です。
なお、相手国でも一旦離婚し、再び婚姻している場合、婚姻証明書の書式が異なっている場合があります。この点については、夫婦それぞれの氏名、生年月日などの情報に注意が必要です。
再婚手続に必要な書類 (原則:別人・同一相手)
更新手続きだが、変更手続きと同様の必要書類となります。
更新(ビザの種類変更と同じ)
共通書類
- 在留資格変更許可申請書 所定の様式に必要事項を記入します。
- 質問書
- 申請理由書
- 返信用ハガキ(宛先を明記)
申請人(外国人)に関する書類
- 顔写真(縦4cm×横3cm)
- 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書
- パスポートの原本(提示)
- 在留カードの原本(提示)
- 履歴書
- 大学等の卒業証明書又は在学証明書
- 日本語能力を証明する資料
- その他の書類
日本で就労している場合(アルバイト等)
- 住民税の納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
- 源泉徴収票
配偶者(日本人)に関する書類
- 身元保証書
- パスポートの写し
- 戸籍謄本
- 世帯全員の記載のある住民票
- 住民税の納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
- 在職証明書
- 給与明細書の写し
- 勤務先の会社案内
交際及び結婚の事実を裏付ける書類
- スナップ写真(結婚式、双方親族との食事会など、夫婦で写っており、容姿がはっきり確認できるものを2~3枚程度)
- 国際電話の通話記録が分かる資料
- メール履歴が分かる資料
住居及び生計に関する書類
- 2人の新居の写真(外観、玄関、台所、リビング、寝室など)
- 新居の不動産賃貸借契約書の写し(所有の場合は登記事項証明書)
- 日本で申請人(外国人)を扶養する者の預金通帳のコピー
変更手続の注意点
申請時期: 現在の在留期間満了の90日前から申請手続きをすることができます。
虚偽の申請: 虚偽の申請は、将来のビザ取得に悪影響を及ぼす可能性があります。
変更後の在留条件: 配偶者ビザに変更後も、在留条件を守ることが重要です。
成功させるためのポイント変更後の生活と注意点
書類の準備 | 必要な書類を漏れなく、正確に準備しましょう。 |
日本語能力 | 日本語能力の証明は、審査において有利に働くことがあります。日本語能力試験の受験を検討しましょう。 |
安定した生活基盤 | 日本人配偶者との安定した生活基盤を証明することが重要です。 |
専門家への相談 | この手続きは専門性が高く結婚生活を安定させるためにも在留変更手続きの失敗はできません。したがって、行政書士などの専門家に相談することで、スムーズな手続きを進めることができます。 |
変更後の生活と注意点
配偶者ビザに変更後、就労の幅が広がる一方で、新たな注意点も出てきます。
税 金 | 日本で働くと、日本の税金を納める必要があります。 |
年 金 | 国民年金への加入手続きが必要です。 |
社会保険 | 健康保険や厚生年金への加入手続きが必要な場合があります。 |
質問書記載の注意点
前婚時も配偶者ビザを取得している場合(つまり日本で暮らしている場合)、前回のビザ申請書類との整合性も確認する必要があります。
「質問書」の内容ですが、質問書には交際経緯や婚姻歴、親族などの情報を書く欄があるのですが、それが前回のものと整合性が合わないと、書類の信憑性に疑義ありとされ、配偶者ビザが許可されないことがあるからです。
まとめ
配偶者ビザの再婚での更新手続きは前婚の内容と現婚との内容を書面や添付書類を具備しなければならず申請者にとっては二重の負担となり労力も倍に増加することになります。
そして、対応の可否によっては日本での在留継続がとても厳しい状況になります。その理由は、上掲でも説明のとおり審査権者である出入国在留管理局永住審査部門に対する更新申請や理由書及びその疎明資料の提出など多岐にわたるからです。
そして、更新手続きの中で資料通知などの当局からの申請に対する疑義や質問対応中で審査担当者との直接のやり取りなど相当な知識と経験が必要とされます。
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