配偶者ビザの夫が無職になった場合
日本人の配偶者等の在留資格の更新において、配偶者が無職になった場合は、生活の安定性や継続性が審査項目で問題になる可能性があります。ただし、結婚の信ぴょう性や継続性には問題がない場合でも更新の時期と無職の時期が重なったことが理由で許可になる可能性は微妙なところです。
夫が無職の場合の注意点と申請のポイント
配偶者ビザを取得するタイミングで、夫が失業してしまったり、転職時期が重なり無職となってしまった。または海外で生活していた夫婦が一緒に日本に帰国するといった場合に、日本人の夫や外国人妻に収入源がないために「配偶者ビザが取得できないのではないか」ととても不安に感じられる方も多いかと思います。
実際、このようなケースでは配偶者ビザの許可要件である在留資格該当性及び狭義の相当性を満たしているとは認められず、残念ながら不許可となるケースもあります。
しかし、夫婦の状況によっては疎明資料の提出や説明を尽くすことで、許可となりえるケースも十分にあります。このコンテンツでは、日本人の夫や外国人妻が無職であったり、夫婦ともに無職である場合の配偶者ビザ申請で気をつけたい点、許可にできるだけ近づける方法について説明します。
先ず、基本的なところは以下3点の説明を十分に疎明することにつきます。
・婚姻の信ぴょう性
・生計の継続的安定性
・婚姻の継続性
婚姻の信ぴょう性
夫が無職の場合、婚姻の信ぴょう性についも、偽装結婚ではないのかという疑いの観点から審査され、厳格に審査されます。
したがって、婚姻の信ぴょう性に問題がないと本人たちが思っていても、問題がないことを客観的に立証できなければ、不許可となってしまいます。
特に、夫が無職である場合には、外国人配偶者の働く必要性が高くなるため、日本での就労が本来の目的(高額収入である風俗での従業、例えば高級外人パブや銀座・赤坂のクラブなど)で日本人と結婚したのではないのか、という偽装結婚がより疑われる傾向がもっとも高くなるからです。
そのため、婚姻の信ぴょう性に関しては、しっかりと理由書で説明するとともに、写真やLINEそしてインスタグラムなどありとあらゆるSNSのお互いの通信やりとりなどの通信記録で問題がない結婚であることを立証していくことが重要です。
生計の継続的安定性
生計の継続的安定性とは、日本での経済的な基盤があるかということです。経済的な基盤が不安定だと、婚姻生活を安定して継続的に送ることが難しくなり、不許可の確率が高くなります。
無職の場合にはこの点が問題で、そのまま無職で申請した場合には、不許可の確率はもっとも高くなります。
ではこの点については、どのような方法で申請しなければならないか、が問題となります。そして夫が無職である前提の場合のその対処方法としては、以下の部分を最低限疎明する必要があります。
収入や預貯金、持ち家で生活していることを説明し、立証資料を添える。
親族から援助を受けられるなどの説明をする。
仮に収入や預金がない場合は、親族から援助を受けられるなどの説明を立証資料と共にするのがよいでしょう。
ハローワークで求職の登録をしているなどの説明をする。
またちゃんと仕事を探しているという意味で、ハローワークで求職の登録をしているなどの説明をすべきと判断します。
非課税証明書のみの提出は絶対に避ける。
非課税については、無職期間が1年継続されたことの疎明資料になってしまい不許可は避けられないので非課税証明の提出は注意が必要です。さらに、ビザ申請が受理された場合でも、住民税の未納がある場合は、不許可となりますので注意してください。
婚姻の継続性
日本で日本人配偶者と外国人配偶者は婚姻を継続して生活をしていくことが出来るのか?というのが当局の審査の視点です。
婚姻の継続性は生計の継続的安定性と連動するもので、経済的観点から安定的かつ継続的に結婚生活を営むことができることを立証する必要があります。
結婚生活を送るための経済的基盤に係る経費支弁能力に関しては、住民税の課税・納税証明書(1年間の総収入、課税額および納税額が記載されたもの)等によって確認できますが、収入については、直近の1年間の収入額が、本人に被扶養者を加えた人数に78万円を乗じた以上であるかどうかが一応の目安とされています。
収入が少ない方は、現在の預金額、両親から援助を受けていること、その他、お金の面で特に問題のないことを立証する材料があれば、それを裏付ける資料を添付し、丁寧に審査官に説明していく必要があります。
なお、個人事業主の方で確定申告をしていない方、会社経営者の方で役員報酬を低めに抑えている方などは、課税証明書に収入が反映されないため注意が必要です。
まとめ
配偶者ビザの更新時に生計の本体である日本人の夫が無職になった場合、配偶者ビザの更新手続きは配偶者ビザの認定手続き(外国人配偶者の招へい)よりも難易度が上がります。日本人の夫が無職になった場合の手続きは疎明資料が増加するため複雑であり、専門的な知識が必要となります。
したがって、専門家である行政書士にご相談いただければ、
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